味噌の豆知識

味噌に入っている酒精の真実

加藤兵太郎商店のお味噌には一部を除いて酒精が入っています。

酒精とはアルコールのことを指しますが、普段はあまり聞かない名前なこともあり、お客様からは酒精についてご質問をいただくことがあります。

今回はよくある酒精についてのご質問にお答えしたいと思います。

よくあるご質問内容はこちら。

・酒精は添加物か?
・酒精(アルコール)が入ってるけど子供が食べても大丈夫か?
・なぜ酒精(アルコール)を入れるのか?
・微生物の活動が停止したお味噌は意味が無い?

以下に回答したいと思います。
非常に長いですが、興味深い内容ですので是非ご覧ください!



酒精は添加物か?
酒精とはアルコールのことになりますが、食品表示のルール上、扱いは添加物となります。

添加物と言うと拒否反応を起こす方がいらっしゃいますが、酒精(アルコール)は当然に食品用であり、口にしても害のあるものではありません。

ちなみに味噌に添加するタイミングは、味噌の発酵・熟成期間を終えて出荷する直前の時点が一般的です。



酒精(アルコール)が入ってるけど子供が食べても大丈夫か?
酒精(アルコール)の入っている量は味噌全体の約3~4%程度であり、極少量です。

しかも、お味噌は一度に大量に摂取する食べ物ではないことから、摂取することになる酒精(アルコール)の量はほんのわずかです。

ですので子供が食べることに対して心配する必要は全くありません。

また、お味噌汁など火を入れるお料理でしたらそもそも酒精(アルコール)は飛んでしまいます。

でも、火を入れなくてもそもそも少量なので、何度も言いますが心配する必要はありません。



なぜ酒精(アルコール)を入れるのか?
ではなぜ酒精(アルコール)を入れるのかですが、簡単に言うと、お味噌の発酵を止めるためです。

発酵とは酵母など微生物の活動によって行われますが、その酵母を酔わせることによって発酵が止まるのです。

発酵を止めるのには以下の重要な理由があります。


①袋の膨張を抑制する

お味噌は発酵をすると二酸化炭素が発生するのですが、これが厄介なんです。

発酵の続いたお味噌が袋詰めで密封された場合、二酸化炭素で袋が膨張していき、最終的には破裂してしまうこともあるのです。

これを防ぐために、酒精(アルコール)を添加して発酵作用を抑えるのです。


②味噌の価格を抑えることが可能

酒精を入れない場合の流通方法としては包装容器に空気の抜けるバルブをつける方法があります。

ただしこのバルブというのはなかなか高価なんです。

また、発酵が続いているお味噌は流通過程での扱いも多少難しくなり(着色が早い、味の変化が早い、破裂はしないけど袋が膨らむなど)、結果それも価格に反映されてしまいます。

酒精(アルコール)を入れることで無駄なコストアップを回避でき、価格を抑えることが可能なんです。

他にも発酵を止める方法としてはお味噌を熱する「火入れ」がありますが、これをするとお味噌の「酵素」によるタンパク質分解機能(お肉を柔らかくしたりする)が失われてしまいます。



微生物の活動が停止したお味噌は意味が無い?
お味噌が健康に良い食品だというのはよく知られていると思います。

健康に良い理由は「発酵食品だから」と認識している人が多いのではないでしょうか。

もう少しだけ掘り下げると、多くの人が

発酵食品→酵母菌や乳酸菌などが腸に届く→腸内環境の改善→健康

というようなイメージを持っているのではないでしょうか。

そうなると酒精入りで微生物(酵母菌や乳酸菌)の活動が停止したお味噌は意味が無いんじゃないかと考えますよね。

ですが結論を言うと、酵母菌や乳酸菌が活動していようとしていなかろうと(もっと言うと生きていようと死んでいようと)、お味噌は腸内環境を整えるし、健康に良いと言われています。

これはヨーグルトでも同じことが研究によって分かっているそうです。

説明します。

まず、酵母菌や乳酸菌が腸に届いた時、活動しているかどうか(生きているかどうか)はなんら影響ないと言われています。

ではお味噌が腸内を整えるのは何故かというと、「味噌が出来上がるまでの発酵の過程において、消化吸収されやすい形態に変わっていたり、腸内を整える栄養を備えるから」なんです。

酵母菌や乳酸菌の活動というのはお味噌が出来上がるまでに必要なわけで、食べる時に必要なわけでは無いんです。

現在、様々な研究によってお味噌が持つ多くの効能が明らかになっていますが、そのどれもが酒精入りのお味噌であろうとそうでなかろうと効果が期待できるんです。

ネット上でお味噌についての情報を検索すると、個人のブログなどで「健康のためには菌の生きたお味噌を食べよう」や「酒精入りのお味噌は意味が無い」というような情報を流しているのがよく目につきますが、その根拠はどこにあるのだろうと不思議に思います。





今回はお客様が抱きやすい疑問について、酒精(アルコール)を中心にお答えしました。

他にも豆知識はたくさんあります。

お味噌は発酵過程で自らアルコールを生成し、自らその活動を停止させていく性質があること(長期熟成させたお味噌は発酵が止まっていることが多い)だとか。

もし酒精が体に悪いということであれば、長期熟成されたお味噌も同様に体に悪いという理屈になってしまいます。

そんなわけがない。

むしろ長期熟成されたお味噌は機能的な成分が多く生成され、健康に寄与する存在であることは有名になってきています。



ただ、酒精を加えることにデメリットが全く無いわけではありません。

酒精はアルコールなので苦く、加えるのは少量ではあるものの、それが味噌の味を多少なりとも悪くするということ。

個人的にはメリットの方が圧倒的に多く、優れた製造方法だと思います。





「無添加が良い」、「自然のままが良い」など、食に関する考え方は様々かと思います。

しかしながらイメージが先行している部分は少なからず存在し、せっかく優れた方法があっても、イメージだけで避けられてしまうことがあります。

メーカーとしては消費者が求めるものを作ることも重要ですが、メーカーが考える本当に価値のあるものを追求し続けることも重要だと考えています。



ちょっと突っ込んだ話になりましたが、酒精についてご理解いただけたでしょうか。

食に関しては本当に様々な考え方があって、これを読んでも人によって感じ方が異なると思います。

でもそれが面白いんですよね。

それが多種多様な食品メーカーを生み、食の多様性を生んでいくんだと思うのです。

加藤兵太郎商店はそのうちの1つとして、独自性を持ってやっていきたい。



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